こんにちは、さくおです!
「SaaS業界はまだ伸びているのか?」
「AIの普及でなくなるって聞くけど、実際どうなの?」
ここ数年で急成長してきたSaaS業界。
でも2026年を迎えた今、その中身は少しずつ変わり始めています。
SaaS企業への転職を考えている人なら、特に今後の動向が気になりますよね。
私個人の所感としては、むしろ今、
“次のステージ”に進もうとしている絶好のタイミングだと感じています。
この記事では、
2026年以降のSaaS企業に起きている変化を、
わかりやすく整理していきます。
今、SaaS企業はどこに向かっているのか。
その流れを知ると、業界の見え方が少し変わるはずです。
✔︎ 広告業界から未経験でIT企業へ転職し、現在はメガベンチャーで現役カスタマーサクセス職
✔︎ 月70時間だった残業を20時間に削減し、時間単価は1.2倍にアップ
- 現在のSaaS企業の動向を学びたい
- 2026年以降のSaaS業界がどうなっていくのか知りたい
- SaaS企業やカスタマーサクセス職への転職活動を始めている
2026年以降のSaaS業界は「成長」から「急成長」へ

ここ数年、SaaS業界は安定的に成長してきました。
しかし2026年以降は、単なる“右肩上がり”ではなく、
より爆発力のあるフェーズに入る可能性が高いと言われています。
理由はシンプルで、
-
企業のDX(デジタル化)が“選択肢”ではなく“前提”になってきている
-
AIとの融合が進んでいる
-
日本国内でもSaaS活用がまだ十分ではない業界が多い
つまり、
まだ取り切れていない市場が大きいということです。
市場拡大は続き、投資姿勢は変化
SaaS市場は引き続き拡大傾向にあります。
特に日本市場では、
人事・労務・会計・営業支援などの分野で
導入率がまだ伸びしろを残しています。
例えば、
SmartHRは中期的に売上を大きく伸ばす目標を掲げており、
2025年時点でARR(年間収益)が200億円のところ、2030年には5倍の1,000億円に向けてさらなる拡大を目指す戦略を発表しています。
参照:https://smarthr.co.jp/news/press/20250603_jigyousenryaku/
また、freeeやマネーフォワードなども、
中長期でのARR(年間経常収益)拡大を掲げており、
業界トップの企業が「急成長」を前提に戦略を組んでいる状態です。
成長率は“より爆発的に”なる可能性
なぜ急成長が起きやすいのか。
その理由のひとつが、
SaaSの特性である積み上げ型収益モデルです。
SaaSは毎月の利用料が積み上がるビジネス。
-
新規契約が増える
-
解約が抑えられる
-
単価が上がる
この3つが同時に起きると、
売上は指数関数的に伸びていきます。
さらに、2025年に入ってからは、AI機能の追加が顕著になっており
単価向上(アップセル)が起きやすくなっています。
そのため、
「安定成長」から「一段階上の成長カーブ」へ
移行する企業が増える可能性があります。
ARR(年間売上)の“質”が問われる
SaaS業界でよく使われる指標に、
ARR(Annual Recurring Revenue)=年間経常収益があります。
これは、
「今の契約が1年間続いたら、いくら売上が見込めるか」
を表す数字です。
以前は、
『ARRがどれだけ大きいか』が重視されていました。
しかし今は、
-
ARRが安定して積み上がっているか
-
無理な値引きで作った売上ではないか
-
解約リスクが高くないか
といった「質”の部分」まで見られます。
つまり、
中長期的な健康経営を目指すために、
売上の大きさよりも、積み上がり方の健全さが重要になっています。
解約率(チャーン)の管理がより重要に
もうひとつ重要なのが、
チャーン(Churn)=解約率です。
SaaSは積み上げ型ビジネスなので、
-
新規契約が増えても
-
解約が多ければ
成長は止まります。
特に急成長フェーズでは、
「どれだけ新規の売上増えたか」より「どれだけ売上が減っていないか」
が重要になります。
そのため、現在は
-
利用定着率
-
継続率
-
アップセル率
といった指標が、より厳しく管理されています。
そしてこの領域の中心にいるのが、カスタマーサクセスです。
それでも重要視されるユニットエコノミクス
急成長フェーズであっても、地に足ついた戦略と実行が展開できなければ、
所詮は絵に描いた餅になってしまいます。
ここで改めて出てくるのが、
ユニットエコノミクス(Unit Economics)
つまり、”1顧客あたりでちゃんと利益が出る構造になっているか?”
という視点です。
例えば、
-
顧客獲得コスト(CAC)
-
顧客生涯価値(LTV)
-
回収期間
これらが健全でなければ、
急成長しても体力が持ちません。
現在のSaaS業界は、
✔ 成長は取りにいく
✔ でも採算は絶対に崩さない
という“両立フェーズ”に入っています。
現場レベルでも、この変化は明確に私自身が感じています。
-
「とりあえず導入」より「本当に活用されているか」
-
「契約数」より「継続率」
-
「満足度」より「成果」
が1年前よりも会社として重視されるようになってきたように感じています。
カスタマーサクセスも、単純な「顧客満足に向けた支援」だけではなく
-
解約防止
-
アップセル
-
LTV向上
といった収益に直結する役割がより強く求められています。
会社としてのオペレーションが改善してきている分、求められるレベルも上がってきている印象です。
SaaS企業の淘汰と再編

SaaS市場が拡大している一方で、
もうひとつ明確に起きているのが、企業の淘汰(生き残り競争)と再編です。
市場が成長すると企業は増えます。
しかし、競争が激しくなると
-
強い会社はさらに強くなり
-
弱い会社は統合・売却・撤退する
というフェーズに入ります。
2026年以降のSaaS業界は、
まさにこの「選別フェーズ」に差し掛かっています。
M&Aの活発化
近年目立っているのが、
M&A(企業の買収・統合)の増加です。
背景には、
-
プロダクトを短期間で拡張したい
-
顧客基盤を一気に広げたい
-
競合を取り込んで市場シェアを高めたい
という戦略があります。
特に、
-
特定領域で強みを持つ小規模SaaS
-
AI技術に特化したスタートアップ
が買収対象になるケースが増えています。
つまり、
「1社単体で戦う時代」から「グループでエコシステムを作る時代」
へ移行しています。
プロダクト統合の進行
M&Aが増えると起きるのが、
プロダクト統合です。
下記は代表的なSaaS企業の一例になります。
| 企業名 | 統合内容 | 戦略 | 現場への影響 |
|---|---|---|---|
| マネーフォワード | 会計・給与・経費・契約を統合 | バックオフィス統合プラットフォーム | クロスセル強化・CSの理解範囲拡大 |
| freee | 会計+人事労務+会社設立支援 | 統合型ERP化 | アップセル設計が複雑化 |
| SmartHR | 労務管理+タレントマネジメント | 人事データ一元化 | データ活用型CSへ進化 |
| Salesforce | CRM+Slack統合 | 業務フロー一体化 | プロダクト理解の高度化 |
| HubSpot | マーケ+営業+CS機能統合 | フライホイールモデル | CSが売上責任を持つ設計 |
例えば、SmartHRであれば
-
人事管理SaaS
-
勤怠管理SaaS
-
給与計算SaaS
がバラバラに存在するのではなく、
「1つのプラットフォームで全部できる」
という方向に進んでいます。
これは顧客側にとっては便利ですが、
SaaS企業側にとっては
-
機能の重複
-
ブランド統合
-
価格設計の見直し
といった難易度の高い経営判断が必要になります。
そしてこの統合プロセスは、
カスタマーサクセスにも大きな影響を与えます。
-
既存顧客への説明
-
プラン変更対応
-
アップセル機会の創出
など、役割がさらに戦略的になるからです。
ニッチ特化型SaaSの増加
一方で、
“総合型”とは逆の動きもあります。
それが、
ニッチ特化型SaaSの増加です。
例えば、下記のように「業界特化」「職種特化」「業務特化」などが挙げられます。
| 分類タイプ | 企業名 | 主なプロダクト | 特化対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| A:業界特化型 | メドレー | CLINICS | 医療業界 | オンライン診療・予約管理に特化 |
| A:業界特化型 | アンドパッド | ANDPAD | 建設業界 | 現場工程管理・施工管理に最適化 |
| A:業界特化型 | エス・エム・エス | カイポケ | 介護業界 | 介護報酬制度に対応した経営支援 |
| A:業界特化型 | いい生活 | いい生活One | 不動産業界 | 不動産会社向け業務支援 |
| A:業界特化型 | トレタ | トレタ | 飲食業界 | 飲食店向け予約・顧客管理 |
| B:職種特化型 | LegalOn Technologies | LegalForce | 法務担当者 | 契約書レビューAI |
| B:職種特化型 | HERP | HERP Hire | 採用担当者 | 採用管理に特化 |
| B:職種特化型 | SmartHR | SmartHR | 人事・労務担当 | 労務管理クラウド |
| C:業務特化型 | Hubble | Hubble | 契約管理業務 | 契約書管理に特化 |
| C:業務特化型 | Zendesk | Zendesk | カスタマーサポート業務 | 問い合わせ管理 |
| C:業務特化型 | SALESCORE | SALESCORE | 営業管理業務 | 営業データ分析・可視化 |
| C:業務特化型 | Resily | Resily | 目標管理業務 | OKR管理に特化 |
背景には、
-
大手がカバーしきれない細分化ニーズ
-
業界特有の業務フロー
があり、特定の領域の企業に深く刺さるプロダクトが増えています。
AI機能の拡充
そして最も大きな変化が、
AI機能の急速な拡充です。
近年、多くのSaaSが
-
自動レポート生成
-
チャットボット
-
予測分析
-
業務自動化
などを標準機能として取り込み始めています。
| 企業名 | 主力プロダクト | AI機能の内容 | 目的・狙い | CSへの影響 |
|---|---|---|---|---|
| Salesforce | CRM | Einstein AI(予測分析・自動レコメンド) | 営業成果の最大化 | データ活用支援の難易度上昇 |
| HubSpot | CRM・MA | AIコンテンツ生成・予測分析 | マーケ効率向上 | AI活用支援が新たな価値に |
| SmartHR | 労務管理 | 人事データ分析・レポート自動化 | データ活用促進 | HR戦略支援型CSへ |
| freee | 会計・人事労務 | 自動仕訳・レコメンド機能 | 業務効率化 | 業務理解の深さが必要に |
| マネーフォワード | 会計・経費 | AI-OCR・仕訳自動化 | 手入力削減 | 導入支援の高度化 |
| LegalOn Technologies | LegalForce | 契約書AIレビュー | リスク検出 | 法務知識の理解が必要 |
| Sansan | 名刺管理 | 名刺データ化・企業情報自動補完 | データ精度向上 | データ活用提案型CSへ |
| Zendesk | サポート管理 | AIチャットボット・自動応答 | 問い合わせ削減 | テックタッチ強化 |
| Notion | ドキュメント | Notion AI(文章生成・要約) | 業務効率向上 | 活用シナリオ設計が重要に |
| Zoom | 会議ツール | AI要約・議事録自動生成 | 生産性向上 | 導入後活用の幅が拡大 |
AIが加わることで、
-
プロダクト価値が向上
-
単価アップ(アップセル)が可能
-
差別化が生まれる
一方で、
-
プロダクト理解の難易度が上がる
-
CSにも一定のテクニカル理解が求められる
という変化も起きています。
現場への影響としては、
-
組織変更が増える
-
KPIが見直される
-
プロダクトアップデート頻度が上がる
などが挙げられ、「変化への耐性」がより重要視されます。
安定企業で“同じことを続ける”というよりも、
進化する組織の中で柔軟に対応できる人が評価される時代なんです。
まとめ:2026年以降、SaaSはさらに“進化し続ける市場”へ

2026年以降のSaaS業界は、
単なる「伸びている業界」ではなくなりつつあります。
市場は広がり続け、
AIは標準機能になり、
プロダクトは統合され、
企業同士の再編も進んでいます。
でもそれは、停滞ではなく――
より洗練された成長フェーズに入ったということです。
ARRの質や解約率が丁寧に管理され、より重視視されるようになった変化は、
「ちゃんと価値を出せる会社」がきちんと伸びる時代に
近づいているとも言えます。
総合型がプラットフォーム化を進める一方で、
ニッチ特化型が専門性で勝負する。
そこにAIが加わり、競争はより高度になってきている現状を踏まえると、
個人的には「SaaSは、まだまだ面白くなる。」と思っています。
これからの数年で、
企業のかたちはさらに進化していくはずです。
そしてこの進化は、
働く側の役割やキャリアの可能性も広げていきます。
次の記事では、
こうした企業の動きがカスタマーサクセスの役割や働き方に
どんな変化をもたらしているのかを整理していきます。
SaaSの未来は、まだ途中。
だからこそ、今がいちばん面白いタイミングでの転職は
良い意味であなたの人生に影響を与えるものになるかもしれません。

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