こんにちは、さくおです!
「カスタマーサクセスに興味はあるけど、そもそも自分が働く会社の中でどんな立ち位置なのかよくわからない…」そんな風に思っていませんか?
IT業界、特にSaaS(サース)企業は独特で、普通の営業とはちょっと違う「ザモデル(The Model)」という仕組みがあるんです。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そしてカスタマーサクセスが、それぞれ役割を分担しながら連携して動いています。
今日はそんな「ザモデル」の流れをゆっくり丁寧に解説して、カスタマーサクセスが企業の中でどんなポジションでどんなことをしているのかをお伝えしますね。
IT業界未経験の人も、CSに転職したい初心者さんも、この記事を読めば「ザモデル」もCSの役割もクリアにイメージできるはず。私も異業種からの転職で半年以上CSをやってきたので、その経験も交えてわかりやすくお話します!
SaaS企業の営業と顧客管理の全体像「ザモデル(The Model)」って何?
まずは「ザモデル」ってそもそも何?というところからお話しします。IT業界に慣れていない方にとっては、初めて聞く言葉かもしれませんが、特にSaaS業界の企業で広く取り入れられている組織体制になります。
SaaS企業の売上は、単に商品を売り切るだけではなく、一度契約してもらった後にどれだけ長くサービスを使い続けてもらえるかが非常に重要です。
そのため営業の流れも、一般的な「リードを集める」「商談を進める」「契約を取る」という段階だけでなく、その先の「顧客の成功」までを一連の流れとして考えられています。
ただ、この一連の営業〜顧客成功までを一人の担当者が全部対応しようとすると、業務量が膨大になってしまいます。
それは、それぞれのフェーズで求められるスキルや意識すべきポイントが違うため、担当者にとって大きな負担になるからです。
そこで、効率よく高い成果を出すために、営業活動を大きく4つのフェーズに分け、それぞれの担当領域を専門的に行う分業体制を作ったのが「ザモデル」という仕組みなんです。
4つの役割については、まずこちらを見てみるとわかりやすいです。
マーケティング(Marketing=MRK)
ざっくり言うと「会社の顔」としてお客さんの興味を引くお仕事になります。
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ウェブ広告を出したり、ブログを書いたり、無料セミナーを開催したりして、たくさんの人に「こんなサービスあるよ!」って知ってもらう
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ただたくさん集めるだけじゃなくて、「本当に興味あるかも?」って人を見極めて営業に紹介する
例えばあなたがネットで「いいサービスないかな?」って調べて記事を読んだりセミナーに参加したりした経験、ありますよね?それがマーケティングの仕組みの一部です。
ここがうまくいかないと、そもそも営業に渡す見込み客(リード)が集まらないので、SaaS企業にとってはとっても大事なパートです。
インサイドセールス(Inside Sales=IS)
マーケティングから渡されたお客さんの中から、「もうちょっと話を聞きたい!」と思う人を選んで、電話やメール、オンラインミーティングで商談まで進める役割です。
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お客さんの状況をヒアリングして、どんな悩みがあるのかを掘り下げる
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ちゃんとニーズがあるか確かめて、営業(フィールドセールス)にバトンタッチする
ここは電話やオンラインでのやり取りが中心なので、対面よりも気軽に話せるけど、相手の状況をしっかり掴むスキルが必要。
たとえば「資料請求はしたけど、本当に必要かどうかまだ迷っている」というお客さんを、もう一歩進めて「ぜひ詳しく話を聞きたい!」と思ってもらうための準備役。
フィールドセールス(Field Sales=FS)
ここがザモデルの中で一番「営業」ってイメージしやすいパート。
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実際にお客さんと会ったりオンラインでじっくり話して、サービスの価値を伝える
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お客さんの悩みや課題に合わせて提案し、契約を取る
SaaSは初期費用が抑えられていることも多いので、お客さんは「本当に自分たちの課題を解決できるか」がすごく気になります。だから、営業担当者はお客さんに寄り添って信頼を築きながら、丁寧に提案していくことが求められます。
カスタマーサクセス(Customer Success=CS)
そして、契約した後に登場するのがカスタマーサクセス。
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お客さんがサービスを上手に使いこなせるようにサポートする
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困っていることがないか先回りして問題を解決する
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使い続けてもらえるように関係性を深めていく
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さらに、追加のサービスを提案したり、解約を防いだりする
ここがザモデルの中でも特に重要なポイント。なぜなら、SaaSは継続課金が売上の鍵だからです。契約してもらった後にお客さんが満足しなければ、すぐに解約されてしまうので、CSの役割は大変重要なんです。
それぞれの役割はどうつながっている?
この4つの役割はバラバラに動いているわけではありません。
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マーケティングが質のいいリードを集めてインサイドセールスに渡す
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インサイドセールスがしっかりヒアリングしてフィールドセールスに引き継ぐ
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フィールドセールスが契約を獲得したあと、カスタマーサクセスにバトンタッチ
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カスタマーサクセスが継続利用やアップセルのためにフォロー
こんな感じでバトンをつなぎながら、チームで売上を伸ばしていきます。それぞれのメンバーが組織のなかでの自分の役割を理解し、ワンチームで顧客体験を繋いでいく意識が重要になります。
CSはザモデルの最後のフェーズでありながら、実は企業の成長戦略のかなめです。
営業が「売る」ことに注力するのに対し、CSは「お客さんが成功し続けること」を使命にしています。
だから、契約したら放置…じゃなくて、サービスの使い方の案内をしたり、問題を察知して解決したり、アップセルの提案をしたりと、かなり幅広い仕事をしています。
SaaSの利益は顧客の継続率とアップセルによって大きく左右されるので、CSがどれだけお客さんに寄り添えるかで企業の売上も変わっていきます。
ザモデル(The Model)のメリットとデメリット
SaaS業界でよく使われている「ザモデル(The Model)」は、営業や顧客管理の流れをわかりやすく分けて、みんなが自分の得意なところに集中できるようにしたすごく便利な仕組みです。
でも、いいことばかりじゃなくて、ちょっと困ったことや課題もあるので、メリットとデメリットを合わせてご紹介します!
ザモデルのメリット
それぞれの役割に集中できるから仕事がはかどる
マーケティングはお客さんを集めることに集中し、インサイドセールスはリードの育成や商談化に専念。フィールドセールスは契約獲得に力を入れ、カスタマーサクセスは契約後のお客さんの成功を支える。
これが役割分担されているおかげで、一人が全部やらなきゃと疲れることがなくなり、各自が専門性を高めながら効率よく仕事ができます。
営業の効率がグッと上がる
役割が明確になっていると、マーケティングで獲得したリードが営業に適切に渡され、無駄な作業やダブルワークが減ります。
結果として、営業の成果が最大化し、売上アップに直結します。
また、営業が契約に専念できる分、顧客対応の質も高まります。
組織全体のスキルや成長が加速する
それぞれの担当が自分の役割を極めていくので、組織全体の専門性が上がり、サービスの質や営業力も向上します。
マーケティングは最新の集客手法を磨き、営業は提案力を高め、カスタマーサクセスは顧客の成功体験を深める。
こうしたサイクルが回ることで、会社全体がどんどん成長していくんです。
お客さんに対するフォローがとても手厚くなる
契約後のフォローをカスタマーサクセスチームがしっかり担うので、お客さんは不安なくサービスを使い続けられます。
お客さんが困ったときにすぐ相談できる窓口があることで、満足度が上がり、解約も減るんですよね。
また、CSが顧客の利用状況をチェックして、必要なサポートを的確に提供できるので、お客さんにとっても安心感が違います。
売上が安定しやすくなる
SaaSは「契約を取って終わり」ではなく、継続的に使ってもらい続けることが重要。
カスタマーサクセスがしっかり顧客をケアし、解約を防ぎながらアップセル(追加購入)も促すので、売上が安定しやすいんです。
企業にとっては、長期的な成長と安定経営に直結する大きなメリットです。
社員のモチベーションアップにもつながる
役割がはっきりしているので、「自分はここが得意!」という部分に集中でき、成果も実感しやすいです。
また、顧客からの感謝の声が直接届きやすいカスタマーサクセスは、やりがいが大きく、社員のモチベーションアップにもつながります。
こんなふうに、ザモデルはただの仕組み以上に、組織や社員、お客さんみんなにメリットをもたらしてくれる仕組みなんです。
ザモデルのデメリット(気をつけたいところ)
でも、ザモデルにはこんな困ったところもあります。ここを事前に押さえていると、SaaS業界への転職後のギャップが少なくなると思います。
部門ごとの連携がうまくいかないこともある
それぞれのチームが自分の役割に集中しすぎて、情報の共有が少なくなってしまうことがあります。
例えば、「マーケティングが渡したリードの情報がインサイドセールスに十分伝わっていない」とか、「カスタマーサクセスが営業の情報をあまり知らされていない」など。
こうなると、お客さんに対してチーム全体で一貫した対応ができず、結果としてお客さんの満足度が下がることも。
特にスタートアップやベンチャー企業は、情報共有のためのノウハウが蓄えられていない場合が多いので、見極めて企業選びをする必要があります。
お客さんにとって担当がコロコロ変わる感じがする
フェーズごとに担当が変わるため、お客さんは「また違う人か…」と感じることもあります。
同じことを何度も説明したり、担当が違うことで話がかみ合わなかったりすると、ストレスを感じてしまう場合もあるので、そのフラストレーションがCSに向けられてしまうことも少なくありません。
「自分の担当じゃないから…」になりやすい
役割が細かく分かれているため、「これは自分の仕事じゃないから他のチームに任せよう」という意識が強くなりがち。
そうなると問題が起きた時に誰も責任を持って動かず、対応が遅れることもあります。
組織が一丸になって、顧客の成功に寄り添った企業風土ができているかどうか、見極めていきましょう。
チーム間の壁ができやすくて動きにくいときがある
分業しすぎてしまうと、チームごとに目標ややり方がバラバラになりやすく、全体としての柔軟な対応が難しくなってしまいます。
これだと、急な顧客の要望や市場の変化に対応するのが遅れてしまうこともあるので注意が必要です。
担当者が特定の仕事だけに偏ってしまう
役割ごとに専門化するので、特定の業務だけやっていると、幅広いスキルや経験が積みにくいことがあります。
特に20代で色んな経験をしたい場合、それができずに成長が偏ってしまうこともあるかもしれません。
最近は、ジョブチェンジ制度などを用いて、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスで部署を異動できる環境を整えている企業も多いので、興味のあるポジションをいろいろ経験するというキャリアも一つの選択肢になります。
まとめ:ザモデルでポジションごとの役割に専念できる!
今回はSaaS業界でよく使われる「ザモデル(The Model)」の4つの役割、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そしてカスタマーサクセスについてお話しました。
このザモデルの流れを知ることで、
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CSがどんなタイミングで、どんな役割を担うのか
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マーケや営業とどう連携しているのか
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どうやって顧客の成功に貢献しているのか
が理解できます。
これが転職活動の面接でもすごく役立つんです。実際、僕もこのモデルを理解してから面接に臨んだことで「ザモデルの理解度が高い」「CSの立ち位置を深く理解している」と評価してもらえました。
特にカスタマーサクセスは、契約後のお客さんの成功を支え、企業の売上を安定させる超重要ポジションです。
これからCSを目指すなら、ぜひザモデルを理解して、IT企業の全体像を掴んでおきましょう。理解が深まれば、転職活動もスムーズに進みますし、入社後のギャップも減らせます。
他の記事も読んで、CSのことをもっと知って、自信を持って転職に挑んでくださいね!
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