The Model: ザモデルとは?SaaS企業のマーケ・IS・FS・CS分業体制を現役CSが徹底解説

カスタマーサクセス

こんにちは、さくおです!

あなたはThe Model(ザモデル)という言葉をご存知でしょうか。

The Model とは、SaaS企業の”分業体制”のことです。マーケ・IS・FS・CSの4部門が役割を分担する仕組みで、日本のSaaS業界でも広く普及しています。CS転職を考えるなら必ず押さえておきたい基本知識になります。

実際に、私も転職前は言葉すら知らない状態でした。前職は広告系企業の営業職で、「IS」「FS」「ザモデル」という言葉を初めて聞いたのは転職エージェントから資料を渡されたときです。

しかし、「なるほど、SaaS企業ってこういう仕組みなのか」と理解したつもりでいましたが、実際に入社してみると”理論”と”現場のリアル”のギャップに少し驚きました

そこで、この記事では、The Model (ザモデル)の仕組みを基本から解説しながら、現役CSとして実際に体験してわかったことをお伝えします。

  • The Model の4つの役割と実際の連携フロー
  • IS→FS→CSの1案件を追跡したリアルなトス回しの流れ
  • The Model で最初につまずきやすいポイントと乗り越え方

The Modelの仕組みやポジションごとのSaaS企業の中での立ち位置について、理解が深まる内容になっているので、ぜひ最後まで見てみてください!

この記事の信頼性
  • 広告会社営業職からメガベンチャーSaaS企業のカスタマーサクセスに転職した現役CS
  • 入社後1年で担当顧客数160社以上、The Model を活用したアダプション業務の実務経験あり
  • 残業時間を月70時間→20時間に削減、年収は転職直後から前職比1.2倍を実現
こんな方におすすめ
  • SaaS企業への転職を考えていて、The Model の仕組みをリアルに理解したい方
  • CSの立ち位置や、他部署との連携のリアルを知りたい方
  • 非SaaS企業から転職した場合、入社後にどう変わるかを知りたい方
目次

The Model (ザモデル)とは?転職前に知らなかった分業体制の正体

The Model (ザモデル)の分業体制を解説

The Model (ザモデル)とは、SaaS企業における営業・顧客管理を4つのフェーズに分けた分業体制のことです。もともとセールスフォース・ドットコムが提唱したモデルで、日本のSaaS企業のほとんどがこの考え方を採用しています。

具体的には、4つのフェーズは次のとおりです。

フェーズ 部門名 主な役割 主なKPI
①集客 マーケティング(MRK) リードの獲得・育成 MQL数(マーケ資格リード数)
②商談化 インサイドセールス(IS) ヒアリング・商談機会の創出 商談化数・商談化率
③受注 フィールドセールス(FS) 提案・クロージング 受注件数・受注金額
④継続・拡大 カスタマーサクセス(CS) 活用支援・解約防止・アップセル 継続率・NPS・アップセル額

しかし、転職前に「役割分担があるんだ」と理解した気でいましたが、実際に入社して気づいたのは、「分業は仕組みではなく、文化」だということです。

一方で、前職の広告系企業では、一人の営業が「リード獲得→商談→受注→アフターフォロー」まで全部担当していました。実際に働いて分かってきたのは、それぞれのフェーズで求められる思考とスキルが根本的に違うからです。


4つの役割の詳細:現役CSから見た各部門のリアル

The Model の各部門の役割を現役CSが解説

マーケティング(MRK):見えないところで営業の土台を作る

一般的に、マーケティングチームの仕事は、見込み顧客(リード)を集めることです。ウェブ広告・SEOコンテンツ・ウェビナー・ホワイトペーパーなどを使って「このサービスに興味がありそうな人」を集め、ISに渡します。

また、CSから見て感じるのは、マーケが「どんな人を集めるか」がその後の全フェーズの質に直結するということです。

インサイドセールス(IS):商談化のプロフェッショナル

具体的には、IS(Inside Sales)は、マーケから渡されたリードに対して電話・メール・オンラインMTGでコンタクトを取り、「商談化できるかどうか」を見極めてFSに引き継ぐ役割です。

まず、大事なポイントは、ISは「受注させる」のではなく「質の高い商談をFSに渡す」ことがKPIである点。

フィールドセールス(FS):提案から受注まで

本質的には、FS(Field Sales)は、ISから引き継いだ商談を進め、契約を獲得する役割です。顧客の課題をもとにした提案・デモ・見積もり交渉・クロージングを担います。FSのKPIは主に「受注件数・受注金額」。だからこそ契約後の顧客の状況はCSが引き継ぐという構造です。

カスタマーサクセス(CS):継続・拡大を担う最終フェーズ

つまり、CS(Customer Success)は、受注後の顧客が「サービスで成果を出せるよう」に支援するチームです。私の会社では:

  • オンボーディング(初期設定・使い方の定着支援)
  • アダプション(運用定着後の活用支援・更新確認・解約や減額の阻止・アップグレード提案)

具体的には、「CSの仕事=オンボーディング」と思っている人も多いですが、実際にはアダプションフェーズの方が期間が長く、顧客の継続率を左右する重要なフェーズです。


【リアル体験】IS→FS→CSのトス回し:実際の1案件の流れ

たとえば、私が実際に経験した1案件のトス回しの流れをご紹介します。

ステップ①:マーケ経由でリードが入る

まず、とある中堅企業のマーケ担当者が、SEO記事から自社のウェビナーに申し込みました。マーケチームがリードのスコアリングを行い、「商談化できそう」と判断してISに回します。

ステップ②:ISが課題ヒアリングと商談化

その後、ISの担当者がメールと電話でコンタクトを取り、オンラインでのヒアリングMTGを設定。「現状どんな課題があるか」「予算感は」「意思決定者は誰か」「導入時期はいつか」などを確認します。

また、ここで大事なのが引継ぎシートの作成です。ISが取得した情報——顧客の業種・規模・現状の課題・温度感・懸念点——が記録され、FSはこれをもとに商談の準備をします。このシートの質が後のフェーズ全体に影響します。

ステップ③:FSが提案・クロージング

次に、FSの担当者がオンラインデモを実施。顧客の課題に合わせたカスタマイズ提案と、ROIの説明を行い、数回の商談を経て契約に至ります。

ステップ④:CSへの引継ぎMTGと活用支援開始

その後、IS・FS・CSの3者で引継ぎMTGが設定されます。ここで私が受け取る情報は以下のとおりです。

  • 顧客が契約した目的・期待していること(FSが約束した内容)
  • 導入のKGI/KPI(顧客が何を成功と定義しているか)
  • 社内の導入推進者と意思決定者の関係
  • 競合で検討していたサービスとの比較
  • 懸念点・リスクと感じた部分

そのため、オンボーディング担当と情報を共有しつつ、私はアダプション支援の計画を立てます。

その結果、こうした一連のトス回しが理想的に機能したときは非常に効率的です。しかし、情報の引継ぎが不十分なときや、IS・FSと顧客の間に認識のズレがあるときは、CSがその調整役になることもあります。

うまくいかないパターンと対処法

さらに、実際に経験したうまくいかないパターンも共有しておきます。

まず、最も多かったのは、ISのヒアリング情報がFSに十分伝わっておらず、FSが別の切り口で商談を進めてしまったケースです。

さらに、FSが受注を優先するために顧客の期待値を必要以上に高めてしまうケースです。これがCSの活用支援を困難にします。

したがって、こうしたケースへの対処として、私が実践しているのは「引継ぎMTGで必ず”顧客が期待していること”を言語化してもらうこと」です。


The Model のメリット:分業体制で実感した3つの良さ

The Model のメリットを現役CSが解説

メリット①:専門性が加速的に深まる

まず、前職の広告系営業では、リードの獲得から受注後のクライアントフォローまで一人でやっていました。それに対して、The Model では、CSとして「受注後の顧客の成功」だけに集中できます。CSとしての判断力・提案力が圧倒的に速く伸びるのを感じています。

メリット②:顧客の課題解決に集中できる

さらに、The Model がある環境では、CSは既存顧客のことだけを考えられるので、1社1社の活用状況を深く把握し、先回りした提案ができます。

メリット③:SaaS業界でのキャリアパスが描きやすい

さらに、The Model を採用している企業では、IS・FS・CSそれぞれのポジションが分かれているため、「自分はどのフェーズが向いているか」を試しながらキャリアを積めます。


The Model のデメリット:最初につまずきやすい3つのポイント

The Model のデメリットと注意点

デメリット①:部門間の連携コストが思ったより高い

まず、分業体制の最大の難点は、チーム間の情報共有に手間がかかることです。ISが取ったヒアリング情報がFSに正しく伝わらなかったり、FSが約束した内容をCSが知らないまま顧客と話してしまったり——そういうことが実際に起きます。

たとえば、私が入社して3ヶ月後に経験したのは、FSが商談中に「この機能が使えます」とデモで見せていたのに、実際には追加費用が必要な機能だったケース。CSとして顧客から「なんで使えないの?」と言われたとき、かなり焦りました。

その結果、こうした問題を防ぐために、引継ぎシートのフォーマット統一・引継ぎMTGの実施・社内Slackでのタグ共有など、情報の流れを仕組み化することが重要です。転職先を選ぶときは、「引継ぎの仕組みが整っているか」を面接で確認することをおすすめします。

デメリット②:顧客から見ると担当がコロコロ変わる感じがする

また、IS・FS・CSとバトンが渡されるたびに、顧客から見れば「また新しい担当か」と感じることがあります。

実際のところ、CSとして入社直後は「なぜ私が前の会話を全部把握していないんだ」と顧客から指摘されることがありました。その後は引継ぎシートを必ず確認し、最初のMTGで「◯◯の課題をお持ちだと伺っています。現状はいかがですか?」と話す習慣をつけるようにしました。

デメリット③:KPIが部門ごとにバラバラで温度差が出ることがある

たとえば、入社後に感じた最初のギャップは、FSが一生懸命受注してきた顧客が、CSとして見ると「そもそもこのサービスでできることと、顧客の期待値がずれている」というケースでした。The Model がうまく機能するには、各部門のKPIを「企業全体の顧客成功」と紐づけて設計することが重要です。


前職との比較:The Model がない会社から転職してわかったこと

The Model がない会社との比較、転職してわかったこと

一方、前職の広告系企業では、The Model という考え方はありませんでした。営業担当が、リード獲得から受注、そして契約後の継続フォローまで一人で担当する仕組みです。

比較項目 前職(非The Model ) 現職(The Model 採用)
担当範囲 リード〜継続まで1人 IS・FS・CSで分業
専門性 広く浅く 特定フェーズを深掘り
受注後フォロー 手薄になりがち CSが専任でフォロー
情報の引継ぎ 同一担当なので不要 部門間の連携が必須
残業・仕事量 新規と既存が混在して多忙 役割が明確なため設計しやすい

実際に、前職の良さは「顧客との関係を1人で深められること」でした。The Model に移ってからは、CSとして受注後の顧客だけに集中できるようになり、1社1社の活用状況を深く把握できるようになりました。

それでも、入社直後は「前の担当(IS・FS)が言っていたこと」を把握するのに慣れが必要でした。

まとめると、The Model は「分業で楽になる」というよりも、「分業で深くなる」という感覚の方が正確です。


CSとしてThe Model をうまく活かすために意識していること

①ISとFSとの「定期的な情報交換」を自分から作る

まず、分業体制だからといって、IS・FSと別々に動くのは非効率です。私は月1回の頻度でCSからIS・FSへ「活用状況の共有」をするようにしています。こうした情報の循環がThe Model をうまく機能させる鍵だと実感しています。

②引継ぎシートのフォーマットを自分で提案する

また、入社後しばらくは、引継ぎシートの質にばらつきがありました。そこで、「CSとして必要な情報」をまとめた引継ぎチェックリストを自分で作成し、FSに「こういう項目を書いてほしい」と提案しました。最初は若干の抵抗もありましたが、協力してもらえるようになりました。

③「顧客の成功」をKPIに置き直す視点を持つ

最終的に、The Model の各部門はそれぞれのKPIを持っていますが、CSとして意識するのは「顧客が本当に成功しているか」という一点です。継続率やNPSはその結果指標にすぎない。顧客が「このサービスを使って良かった」と感じているかを常に問い続けることが、CSとして長く活躍できる理由だと思っています。


The Model を理解してCSに転職した結果:変わったこと

The Model を理解してCSに転職した結果

重要なのは、The Model を理解した状態でCSに転職したことで、入社後のギャップが少なくなりました。「IS・FS・CSの役割の違い」「自分がどのフェーズを担うのか」「他部署とどう連携するのか」を転職前に把握していたことで、初日から業務の全体像が見えていた感じがします。

また、転職活動中の面接でも、The Model への理解が大きなアドバンテージになりました。

まとめると、入社後1年で実感した変化は以下のとおりです:

  • 担当顧客数:2ヶ月目から徐々に増加し、半年後に120〜130社、1年後は160社前後まで拡大
  • The Model への理解が深まるほど、IS・FSとの連携コミュニケーションがスムーズになった
  • 「この顧客はアップグレードのタイミング」という情報をIS・FSと共有し、全社的な顧客成功に貢献できるようになった
  • SaaS×CS経験として転職市場での評価が高まり、スカウトが増加した

したがって、The Model は単なる「組織の仕組み」ではなく、SaaS企業で働くうえでの「共通言語」です。転職前にしっかり理解しておくと、面接での受け答えも、入社後のスタートも大きく変わります。


まとめ:The Model は「知識」ではなく「体験」として理解しよう

The Model のまとめ

最後に、今回はThe Model (ザモデル)について、基本の仕組みから現役CSとして実際に体験したことをお伝えしました。

まとめると、今回の要点をまとめます。

  • The Model は「マーケ→IS→FS→CS」の4フェーズによる分業体制で、SaaS企業の基本的な組織構造
  • 各フェーズは異なるKPIを持ち、バトンをつなぐ形で機能する——その引継ぎの質が重要
  • IS→FS→CSのトス回しは、引継ぎシートと3者MTGが核になる
  • 分業体制のメリットは「専門性の深化」「顧客フォローの質向上」「キャリアパスの明確化」
  • デメリットは「部門間の情報ギャップ」「顧客から見た担当変更感」「KPI間の温度差」

まず何より、CSを目指して転職活動をするなら、The Model を「知識として知っている」だけでなく、「自分がどのフェーズを担うのか」「他部署とどう連携するのか」まで具体的にイメージできる状態にしておくことが大切です。

The Model を理解したうえでCSに転職した私の経験が、あなたの転職準備の参考になれば嬉しいです。

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参考・外部リンク:ザ・モデル(Wikipedia)Salesforce JapanGainsight: What is Customer SuccessHubSpot: Customer Success Guide

 

 

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さくお
CS転職アドバイザー
✔︎ 未経験→IT企業のCS職へ転職成功
✔︎ 月70h→20hに残業削減/時間単価1.2倍

このブログでは、僕自身の経験をもとに、
「未経験からCS職に転職したい人」や
「もっと自分らしく働きたい人」に向けて、
キャリアのヒントやリアルな転職ノウハウやをお届けしています。

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