こんにちは、さくおです!
カスタマーサクセス(CS)はここ数年で注目度が急上昇している職種。SaaSの成長とともに求人数も増えており、未経験から挑戦する人も多いです。
ただし、周りの声を聞いてみると、ギャップがなかったと感じる人が多い反面、実際に働いてみて「思っていたのと違った」と感じている人もいます。後悔せずにキャリアを選ぶためには、転職前に仕事のリアルをきちんと理解しておくことが大切です。
ここでは、私自身の経験も交えながら「CSになって後悔しないための7つのポイント」をお伝えします!
✔︎ 広告業界から未経験でIT企業へ転職し、現在はメガベンチャーで現役カスタマーサクセス職
✔︎ 月70時間だった残業を20時間に削減し、時間単価は1.2倍にアップ
- IT未経験でカスタマーサクセスに挑戦しようか迷っている
- 転職後に「思っていたのと違う…」と後悔したくない
- 事前にリアルなポイントを知って判断したい
カスタマーサクセスになって後悔しないための6つのポイント
「営業」でも「サポート」でもない独自の立ち位置

カスタマーサクセスは、よく「営業とサポートの間にある仕事」と言われます。確かに似通っている部分もあるのですが、実際には別物です。
まず営業の仕事は「契約を取る」ことがゴールです。どれだけ新しい顧客を獲得できたかが評価の中心であり、短期的な数字に直結します。一方、サポートは「困っている顧客を助ける」ことがゴールで、問い合わせに対応してトラブルを解決するのが中心です。どちらも大切ですが、契約が終わったら営業の役割は一区切り、サポートも受け身の対応になりがちです。
カスタマーサクセスはそのどちらとも違います。CSのゴールは「契約した顧客が、サービスを使って成功を収めること」。つまり、契約した瞬間がスタートラインなんです。顧客が自分たちの課題を解決できてはじめて、本当の意味で成果が出たと言えます。
具体的なイメージを挙げると、例えばある企業がSaaSツールを導入したとします。導入直後は「どうやって設定すればいいの?」「どの機能を使えば効率化できるの?」と迷う場面が必ず出てきます。ここでCSが伴走して「この機能をこう使えば業務時間を30%削減できますよ」と提案できれば、顧客はすぐに成果を実感し、サービスを長く使ってくれるようになります。
また、CSの仕事は受け身ではなく、能動的に提案することが求められます。サポートなら「問い合わせが来たら対応する」ですが、CSは「問い合わせが来る前に、課題を予測して支援する」。たとえばデータを見て「利用率が下がっている顧客」を見つけ、先回りしてミーティングを提案することも日常です。
つまり、営業やサポートと比べてCSの立ち位置は「顧客と一緒にゴールまで走り抜けるパートナー」。売って終わりでもなく、困ったら助けるだけでもない。顧客が成果を出すために「一緒に考え、一緒に工夫する」存在なんです。
だからこそ、これからCSを目指す人は「営業らしい主体性とアグレッシブさ」「サポートに必要な問題解決力とホスピタリティ」を兼ね備えていると、活躍できるCSになると思っています。SaaS企業の中でCSの役割を正しく理解することが、転職で後悔しないための第一歩になると思います!
より詳しく知りたい人はこちらの記事を見てみてください。


数字で評価される「厳しさ」と「面白さ」
カスタマーサクセスのやりがいの一つは、顧客から直接「ありがとう」と感謝される瞬間が多いことです。営業が契約を取るところまでで一区切りなのに対し、CSはその後も長期的に顧客と伴走するため、信頼関係が深まりやすいです。実際に私も「この機能を教えてもらって業務が楽になりました」といった声をもらうと、本当にやっていて良かったなと実感することがあります。
ただし、そこに満足してはいけません。顧客から信頼されるカスタマーサクセスになることは重要な能力の1つではありますが、一番に評価されるのは「数字」であるということは、転職前にしっかり理解しておくべき点だと思っています。
具体的には以下のような指標が代表的です。
| 指標 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
|
解約率(チャーンレート) |
契約が続いているかどうかを示す割合。 | CSが継続的にフォローすることで、この数字を下げられれば会社への貢献度が大きい。 |
| 継続率(リテンション) | どれだけ長く顧客に使い続けてもらえているか。 | サービスを業務に定着させることがカギ。長期的な関係構築が評価される。 |
| アップセル率/クロスセル率 | 既存顧客に上位プランや別サービスを追加導入してもらえる割合。 | 単に契約を維持するだけでなく、売上拡大につなげられるかが重要。 |
| 利用率(アクティブ率) | 顧客がどれくらいサービスを日常的に活用しているか。 | ログイン頻度や機能利用の深さなどから測定。改善提案の根拠にもなる。 |
これらは全て「数字」で見られるため、どれだけ顧客に尽くしても、結果が数字に反映されなければ評価につながらない場合もあります。
例えば、あなたが担当している顧客から感謝の言葉を毎週もらっていたとしても、その顧客が半年後に解約してしまえば会社としてはマイナスです。逆に、地道に利用を促して解約を1%減らしただけで、数千万円規模の売上を守れた、なんてケースもあります。CSの評価は、こうした長期的な成果と数字の積み上げで決まるのです。
この「数字で評価される」という特徴は、もしかしたら人によってはプレッシャーに感じるかもしれません。
「顧客に尽くす=必ず数字に出る」とは限らないからです。時には顧客側の事情で解約が決まってしまうこともあります。でも、それを「仕方ない」と流すのではなく、どうすれば数字に結びつけられるかを考えられる人は、CSとしての素質が十分にあると思います。
だからこそ、転職を考えている人には「数字を扱うことに抵抗がないか?」を一度立ち止まって考えてほしいと思います。数字を追うのは怖いと感じるかもしれませんが、ポジティブに捉えれば「自分の努力がちゃんと成果として目に見える」環境です。営業は契約件数、マーケティングはリード数、エンジニアはバグ修正や開発速度、といったように、どの職種も評価は数字で表されます。CSの場合はそれが「解約率や利用率」なんだと理解できれば、後悔せずにキャリアを進められると思います!
常に学び続ける姿勢

カスタマーサクセスを続けていて一番実感するのは、「学びに終わりがない」ということです。契約後の顧客を支援するのが役割なので、ただサービスのマニュアルを覚えるだけでは不十分。顧客の業界知識、最新のテクノロジー、データを使った分析の仕方、コミュニケーションの工夫まで、幅広い知識をアップデートし続ける必要があります。
例えば、ある企業があなたの担当になったとします。もしその業界について何も知らなければ、顧客の課題を深く理解することはできません。顧客は「業界の流れを分かっている人」に相談したいものですし、そこに信頼が生まれます。だからCSには「サービスのこと」だけではなく「顧客のこと」まで学び続ける姿勢が必須なんです。
また、IT業界は変化のスピードがとにかく速いです。昨日まで注目されていなかった機能やツールが、翌月には標準になっていることも珍しくありません。特にSaaSとAIは相性が良く、多くの企業が新しい機能にAIを組み込んでいます。つまりCSとして働く人も「新しい技術をどう使えば顧客に役立つのか」をキャッチアップしていかないと、すぐに置いていかれてしまいます。
もちろん、学びと言っても難しい専門書ばかり読む必要はありません。社内の勉強会や、CS仲間とのナレッジシェア、ネット記事や業界イベントなど、学べる機会はたくさんあります。私自身、転職してから半年は「わからない言葉のメモ帳」を作り、毎日調べてアップデートしていました。こうした小さな積み重ねが、顧客からの信頼につながり、結果的に数字として評価されるようになっていきます。
未経験からCSに挑戦する人の中には、「自分にできるだろうか」と不安を感じる方もいると思います。でも安心してください。CS経験者として入社する人の方が圧倒的に少ないですし、完璧な知識を持って入社する人なんていません。むしろ大切なのは、「学び続けることを楽しめるかどうか」です。昨日より今日、今日より明日と少しずつ成長していきたい気持ちがあれば、それが顧客にとっても大きな価値になります。
新しいことを知るのがワクワクする人にとって、これほどやりがいのある職種はないと思っています。逆に「同じ仕事を淡々と繰り返したい」と思う人には、少し合わないかもしれません。
顧客対応の「やりがい」と「大変さ」
カスタマーサクセスの仕事をしていると、多くの時間を「顧客対応」に使うことになります。ここでよく耳にするのが「CSは顧客対応が大変そう」という声です。確かに、顧客から要望や課題を直接受けるので、プレッシャーや難しさを感じる場面もあります。でも同時に、この部分こそが一番大きなやりがいにつながるんです。
例えば、新機能を紹介したときに「これで業務が本当に楽になった!」と笑顔で言ってもらえた経験は、数字以上の達成感をくれます。解約寸前だった顧客が、自分の提案をきっかけにサービスを使い続けてくれたときは、「自分の関わりが相手の成功に直結した」と強く実感できます。これは営業ともサポートとも違う、CSならではの喜びです。
一方で、大変さも事実として存在します。顧客の期待が高ければ高いほど、「すぐに解決してほしい」「もっと成果を出したい」という要望が次々にやってきます。時には、サービスの範囲外の相談をされることもありますし、顧客の状況によっては解約が避けられないこともあります。そんなときに「自分の力が足りなかったのでは?」と感じて落ち込むこともあるかもしれません。
ただ、ここで前向きに捉えてほしいのは、大変さとやりがいは常に表裏一体であるということです。顧客からの要望や厳しい声があるのは、それだけサービスに期待してくれている証拠。難しい課題に直面するからこそ、解決できたときの達成感が大きいのです。
私自身も転職して最初の頃、顧客から「正直、このサービスで成果が出ていない」と言われて悩んだことがありました。でも、そこで真剣に向き合い、利用方法を一緒に見直す提案をしたことで、最終的に顧客から「さくおさんのおかげで業務が改善しました!」と言ってもらえました。その瞬間に「やっぱりCSを選んでよかった」と心から思えたんです。
顧客対応を「大変だから嫌だ」と思うのではなく、「挑戦できるから成長できる」と考えられる人にはピッタリの仕事です。
会社ごとのワークライフバランス

カスタマーサクセスの仕事は「激務なのでは?」と不安に思う人も多いですが、実際に働いてみると 基本的にはワークライフバランスは良い というのが私の実感です。残業時間は比較的少なく、SaaS企業はリモートワークやフレックスタイムを導入していることも多いので、自分の時間を確保しやすい環境が整っています。前職で深夜残業が当たり前だった私にとっては、平日に20時前に帰れるだけでも「生活が豊かになった」と感じました。
とはいえ、全ての企業が同じ環境というわけではありません。会社の規模や成長フェーズによって条件は少し変わります。
-
スタートアップ企業
スピード感があり成長環境は抜群ですが、その分残業が増える傾向があります。短期間で経験値を積みたい人には向いていますが、忙しさとのバランスを考える必要があります。 -
メガベンチャーや上場企業
制度や仕組みが整っており、無理な働き方を強いられることは少ないです。安定した環境で長く働きたい人にはおすすめ。 -
外資系企業
成果主義が徹底している分、自由度が高い働き方が可能ですが、成果を出すために自己管理能力も求められます。
このように、同じ「カスタマーサクセス」という職種でも、会社次第で働き方は違ってきます。だからこそ、転職を考えるときには 企業の下調べが欠かせない のです。
面接に臨む前に「残業時間はどれくらいか?」「リモートはどのくらい取り入れているか?」は公表している企業も多いので、必ずチェックしてみましょう!口コミサイトや転職エージェントの情報も参考になります。本格的に入社が視野に入ってきたら、面談を組ませてもらって実際に働いている人の声を聞くのも安心材料になると思います。
まとめると、CSは基本的にワークライフバランスが良い仕事です。けれども「自分に合った環境かどうか」は会社によって違うので、働く環境を事前に調べることが後悔しない転職につながると思っています。
キャリアパスを描く大切さ
カスタマーサクセスは、ここ数年で注目されてきた職種なので「この先どんなキャリアにつながるのか?」が気になる人も多いと思います。私自身も転職活動をしていたときに一番不安だったのは、今後10年、20年先まで続けられる仕事なのか、という点でした。
実際にCSを経験して感じるのは、キャリアの選択肢が幅広いということ。営業やサポートのように役割がはっきりしている職種に比べて、CSは「顧客理解」「課題解決」「データ分析」「チーム連携」など複合的なスキルを求められます。その分、将来的に活かせる道が多いんです。
たとえば、チームを率いる「カスタマーサクセスマネージャー(CSM)」になってマネジメントに進む人もいれば、「オンボーディングスペシャリスト」として新規顧客の立ち上げに特化する人もいます。さらに、顧客の声をプロダクトに反映させる立場として「プロダクトマネージャー」や「マーケター」にキャリアチェンジするケースも珍しくありません。
また、CSの経験は「フリーランス」や「業務委託」としても活かせます。スタートアップ企業では短期間でオンボーディング支援や導入サポートを依頼されることも多く、柔軟な働き方につながる可能性もあります。
大事なのは、転職する前に「自分はどんなキャリアを歩みたいのか」をある程度イメージしておくことです。もちろん入社してからやりたいことが変わっても構いません。でも「数年後にマネジメントに挑戦したい」とか「将来的にはプロダクト側に関わりたい」といった方向性を持っていると、選ぶ会社や案件の取り組み方も変わってきます。
逆に、目の前の仕事だけに集中してキャリアのイメージを持たないまま数年経つと、「気づいたらやりたい方向に進めていなかった」ということになりかねません。これはCSに限らず、どんな職種でも起こりうることです。だからこそ、「キャリアパスをどう描くか」を考える習慣が大切なんです。
CSは成長産業であり、AIやデータ活用とも相性がいいため、今後さらに重要な役割になっていくはずです。その分、キャリアの幅も広がっていきます。だからこそ「自分はこの経験をどう活かしたいか」を転職前から考えておくことが、後悔しないキャリア選びにつながります。
キャリアパスについては、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

まとめ:後悔しないCS転職のために

ここまで、カスタマーサクセスとして働く上で知っておくべきポイントをお伝えしてきました。
- 「営業」でも「サポート」でもない独自の立ち位置
- 数字で評価される「厳しさ」と「面白さ」
- 常に学び続ける姿勢
- 顧客対応の「やりがい」と「大変さ」
- 会社ごとのワークライフバランス
- キャリアパスを描く大切さ
どれも転職後に「思っていたのと違う」と後悔しないために欠かせない視点です。
特に大事なのは、カスタマーサクセスは「人」と「数字」の両方に向き合う仕事だということ。顧客との対話から感謝の言葉をもらえる瞬間もあれば、解約率や利用率といった数字で達成感を感じる瞬間もあります。その両面を楽しめる人にとって、CSは大きなやりがいを感じられる仕事です。
また、CSは今まさに成長しているSaaS業界を中心に必要とされているポジション。AIや新しいテクノロジーとの相性も良く、将来性も高いといえます。その分、学び続けることが欠かせませんが、それを楽しめる人にとっては「成長を実感できる環境」になります。
働き方についても、基本的にはワークライフバランスは良好。残業が少なく、リモートワークやフレックスを導入している企業も多いので、自分の時間を確保しやすいです。
そして、CSには幅広いキャリアパスが用意されており、「どんなキャリアを歩みたいか」を考えておくと、入社後の行動や学びの優先順位が明確になり、後悔のないキャリアを築けます。
CSは確かに魅力的な仕事ですが、当然向き不向きはあると思っています。事前に情報を集め、冷静に「自分に合うか」を見極めること。それができれば、きっとあなたにとってCSは成長もやりがいも得られる最高の選択肢になるはずです!
まずは本記事で基本を押さえた上で、関連記事も読んでさらに理解を深めてみてください。そして、転職エージェントなど、有用なリソースを活用しながら、自分に合った企業を探す一歩を踏み出してみてください!

コメント