こんにちは、さくおです!
「カスタマーサクセスって転職先にいいかも!」と感じている人も多いと思いますが、ネットで調べると「辛い」「きつい」「激務」といったネガティブな言葉も目にします。
実際のところはどうなのか、気になりますよね。
私自身、広告会社の営業からカスタマーサクセス職に転職しました。
実際に働いてみると、やりがいや楽しい部分を強く感じる反面、転職前には気づけなかったつらい部分も正直あります。
この記事では、私の体験をベースに「カスタマーサクセスの楽しい部分」「辛い部分」、を経験を交えて包み隠さず紹介します。
これを読めば、CSという仕事が自分に向いているか、長く続けられるかの判断材料になるはずです!
この両方を知ってこそ「自分に合うかどうか」を判断できると思っているので、参考にしてみてください。
✔︎ 広告業界から未経験でIT企業へ転職し、現在はメガベンチャーで現役カスタマーサクセス職
✔︎ 月70時間だった残業を20時間に削減し、時間単価は1.2倍にアップ
- SaaS業界やカスタマーサクセス職への転職を考えている
- 実際にカスタマーサクセスとして働いている人の目線から「CSのリアル」が知りたい
- 別の職種からIT企業へのキャリアチェンジに迷っている
カスタマーサクセスのやりがい・楽しい部分
カスタマーサクセスは「辛い」「きつい」「激務」といった言葉がネットで目につく仕事ですが、実際に働いていると楽しい部分や働いていてわくわくする部分もたくさんあります。
むしろ、この「わくわく」があるからこそ、私はカスタマーサクセスをIT企業への転職時の第一歩に最適な職種だと思っています。
ここでは、私が実際に体験したことや周りの同僚を見て感じた「カスタマーサクセスの楽しさ」をリアルに紹介します。
顧客から直接「ありがとう」をもらえる
一番のやりがいは、やっぱりお客様からの「感謝の気持ちを直接もらえる点」です。
例えば、私が担当していた企業で、勤怠管理システムを導入したときの話。
導入当初は「社員から問い合わせが多くて困っている」と担当者が悩んでいました。
そこで私は、よくある質問をまとめた簡単なマニュアルを作り、社内に配布してもらいました。
すると、それまで毎日数十件あった問い合わせが半分以下に減ったんです。
後日、その担当者から「おかげで業務がすごく楽になりました。本当に助かりました!」とメールをいただきました。
その瞬間、「ああ、自分の仕事って人の役に立ってるんだ!!」と心から実感できました。
私の前職である広告業界では、実際に提供した施策で効果があったかどうかがわかるのは数ヶ月〜半年以上先になることも多かったので、「ありがとう」と声をいただくとしても、契約直後の形式的なものが多かったんです。
CSでは、サービスを提供して使い始めた途端に結果がすぐに表れるケースも多いので、実際の成果を体感した上で出てくる感謝の言葉を直接もらうことができます。
サービスの価値を一緒に広げていける
カスタマーサクセスの面白さは、ただサポートするだけじゃなくて「サービスをどう使えばもっと便利になるか」をお客様と一緒に考えられることです。
あるとき、従業員の残業管理に時間がかかって困っている会社の担当者と話していて、「実はこの機能を使えば自動化できますよ」と提案したことがありました。
最初は「そんな機能あるんですね!知らなかった!」と驚いていましたが、導入後に「残業管理の業務が1日分短縮できました」と報告をいただきました。
営業時代は「売ること」がゴールでしたが、CSでは「使ってもらって成果を出してもらうこと」がゴール。
だから、自分の提案がそのまま顧客の業務改善に直結するんです。一緒に成功体験を作っていく感覚が、CSならではの楽しさだと思います。
また、顧客からサービスに対する要望をもらったときに、その内容を開発チームに伝えることもカスタマーサクセスの大きな役割の一つになります。
その声の大きさに合わせて、開発チームが機能アップデートを行い、さらに市場に求められるサービスになるようにリリースを重ねていくわけです。
「顧客のリアル」と「自社システムの事情」どちらにも精通しているからこそ、顧客と開発チームの架け橋になれる点も、CSのやりがいだと感じています。
チームで達成感を味わえる
カスタマーサクセスはひとりで戦う仕事ではありません。営業やサポート、開発、マーケティングなど、いろんな部署と協力しながら動いていくことになります。
例えば、解約リスクが高い顧客がいたとき。営業が「この顧客は解約しそうだからフォローお願いします」とCSにパスしてくれることもありますし、逆に私たちCSが「この顧客、すごく利用度が高いので事例にできそうです」とマーケに声をかけることもあります。
特に印象に残っているのは、ある大手企業の大規模導入案件。
オンボーディング担当が初期設定を頑張ってくれて、私がアダプションで利用定着をサポートし、最後にエキスパンション担当が追加提案に成功しました。
チーム全員がそれぞれの役割をまっとうしたことが顧客体験の向上につながり、最後の追加提案の成功につながったのだと感じています。
チームでそれぞれの活躍を褒め称えながら、「よくやった!」と喜び合えるのは、営業時代にはなかった達成感でした。
企業の成長や組織の変化に関与できる
スタートアップ・ベンチャー・メガベンチャーの企業では特に顕著だと思いますが、いい意味で企業の体制が整いすぎていないため、業務のオペレーションや組織の風土づくりに直接関与していける部分は、大きい魅力だと感じています。
例えば、私がカスタマーサクセスとして入社する前は、
- 契約更新確認月に顧客の契約方針の確認
- 契約開始・契約更新をしてから5ヶ月目の企業に利用状況確認
- 問い合わせがきている企業に対しての回答
このあたりの業務が中心で、カスタマーサクセスとしての能動的な支援というよりは、解約懸念を減らすための最低限の接触と機能回答対応が業務の全般を占めていました。
しかし、最近では業務フローの整備がさらに進み、「顧客の導入目的を達成するための自発的なサポート」が組織として行える体制がより整ってきました。
ここまでの体制が整うまでには、これを1つのプロジェクトとして推進するCSメンバーを中心に、他のCSメンバーの協力が必要不可欠でした。
逆にいうと、CSメンバーであれば、手を挙げてプロジェクト推進のメンバーになれたり、体制作りに対して意見が言えたりするわけです。
カスタマーサクセスとして、直接顧客とコミュニケーションを取ることはもちろんですが、「組織としての在り方」や「社内の業務改善」に役職に関わらず関与できる点は、CSの機能を持つベンチャー企業ならではの良さだと感じています。
新しい知識やスキルを学べる環境がある
カスタマーサクセスをしていると、「顧客を支援するために必要な知識やスキル」が自然と身につきます。
これは営業時代にはなかった面白さでした。
例えば、私が担当している人事システムでは「労務」や「給与計算」といった知識が必要です。
最初はまったく分からなかったのですが、お客様と同じ目線で会話をするために、「その機能がどんな業務に紐づいているのか」「どんな法律に基づいた機能なのか」などを勉強しました。
入社まもない頃は、インプットする内容が今まで馴染みのなかった内容が多く時間がかかりましたが、大枠を掴んだ今では、顧客の質問の意図を汲みながらタイムレスに対応ができるようになりました。
システムの更新や法律の改正など、学び続ける姿勢に必要になりますが、「その分野でのプロフェッショナル」を目指すことが、カスタマーサクセスとしての自信につながり、それが飽きずに仕事に取り組めている要因でもあると感じています。
さらに、CSは顧客対応だけでなく、データ分析やプロジェクト管理、資料作成や提案スキルも磨かれます。
学んだことはCSに限らず、マーケティングやプロダクト開発など、将来別のキャリアに進むときにも役立ちます。
つまり、働きながら勉強になる環境が整っているのがCSの楽しい部分なんです。
キャリアの広がりを実感できる
他のやりがいや楽しさとしては、スキルの幅が広がることが挙げられます。
CSでは、顧客対応だけじゃなく、データ分析や課題解決、資料作成、提案、プロジェクト管理など、幅広いスキルを使います。
例えば、利用状況をモニタリングして「この機能の利用が落ちている」と分析し、それを改善するための提案を資料にまとめる。
これは営業時代にはほとんど経験のなかった領域だったため、未知の領域のスキルが磨かれることで、自分の可能性がさらに広がっていくのを日々感じています。
私自身、営業から転職した当初は「コミュニケーション力」ぐらいしか強みがないと思っていました。
でも今は、「顧客データを分析して改善策を出す力」や「チームを巻き込みながら進める力」も身についてきたように思っています。
これは将来、プロダクトマネージャーやマーケティング職にキャリアチェンジするにも必ず役立つと感じています。
CSは「顧客を支える仕事」ですが、自分自身のキャリアの可能性を広げてくれる仕事でもあるんです。
カスタマーサクセスの辛い部分・大変なところ
続いては「カスタマーサクセスって実際きついの?」という疑問に答えるため、私が経験したり同僚から聞いたりしたリアルな辛さを具体的にお伝えします。
転職前に知っておくと、「こんなはずじゃなかった」と思わずに済むはずです。
数字のプレッシャーがある
カスタマーサクセスは「サポート職」のイメージを持たれがちですが、実際は数字に直結する役割です。
代表的なのは「解約率」「利用率」「契約更新率」といったKPI。どんなに新規顧客がサービスを契約してくれても、サービスを利用し続けてもらえなければ、会社の売上は上がっていきません。
会社の成長率に直結する部分なので、経営層などトップからの期待も非常に強いと感じています。
例えば、私の会社では週次で案件を報告する会議があります。
その会議では、その月に契約更新がある企業の中では、解約懸念がある企業や、追加製品を提案している企業への提案状況を報告する場なのですが、部長以上の役職者から鋭い指摘をいただくこともあります。
自分の引き出しにはないアイデアをもらえることも多いため、非常に勉強になる一方、これだけ上のレイヤーのメンバーから時間をもらっている点を踏まえると、IT企業の中でもそれだけ重要なポジションなのだと感じさせられます。
営業であれば「今月20件契約」など短期目標を追っていくと思いますが、カスタマーサクセスは「自分の担当顧客からいかに解約を生み出さないか」という、守りの営業みたいなものだと感じています。
営業のようは派手さはないですが、「縁の下の力持ち」で数字で評価されるポジションを求めている人にはうってつけのポジションです。
数字のプレッシャーは、表に出にくくともストレス要因になるケースもあると思います。
チームで仕事をこなしていくため孤独になることはありませんが、「決められた数字の目標」に対して苦手意識がある人は、必ずしもおすすめできる職種ではないかもしれません。
顧客都合に左右されやすい
CSは「顧客に寄り添う」仕事。だからこそ、顧客のスケジュールに振り回されることも少なくありません。
「来週から全社で使うから、今週中にトレーニングしてほしい」
「社長に報告するから、明日までに効果測定の資料を用意してほしい」
こんな依頼が突然入ることもあります。事前に顧客の運用スケジュールが確認できていれば、建設的にタスクが組めるので、突発的な残業は起こりにくいですが、お客様のフロントをしている立場なので、稀に起きてしまう場合はどうしてもあります。
もちろん全てがこうではありませんが、顧客都合が優先されるため、必要な対応を漏れなく洗い出し、優先順位を明確にして仕事を進めていく力がもとめれる職種だと感じています。
激務になりやすい時期がある
普段の業務量は他のポジションと比べて多いわけではありませんが、特に繁忙期や新機能リリース直後は激務になりやすい傾向にあります。
新しい機能がリリースされると、「どうやって使うの?」「設定方法を教えて」という問い合わせがどうしても増えるので、顧客対応に要する時間が通常よりも増えます。
企業によっては、メール対応だけでなく、研修会やオンライン説明会を担当することもあるので、スケジュール管理はCSに求められるスキルの1つになります。
私が一番大変だと感じているのは、年度切り替え時期。
人事システムを扱っていたので、どの顧客も「4月までに必ず使えるようにしたい」という状況。
1日に5件のオンライン会議をこなし、合間に資料作成やチャット対応…。気づけば夜21時を過ぎていることもありました。
比較的にオンオフの切り替えがしやすく、ワーク・ライフ・バランスが取れていることがSaaS企業に転職するメリットだと思っていますが、通年で見ると、忙しい時期はどうしても出てきてしまいます。
顧客と社内の調整が大変
CSは顧客と社内の橋渡し役。だからこそ、ナーバスな事象が発生したときには、調整役として両者の間に入る役目を担います。
例えば、顧客から「この機能が全然使えない、改善してほしい」と要望を受けたとして、それを開発側に伝えたときに「今期のロードマップには入っていないから急ぎでの改善は難しい」と返答されることもあります。
顧客には「すぐには対応できません」と伝える必要なければいけないわけですが、顧客からすると重要度が高い機能である場合、不満をぶつけられることも正直あります。
もちろん感情的な顧客ばかりではないので、基本的には理解してくださるお客様が多いですが、上記のようなケースは事実としてあります。
成果がすぐに見えない
営業は「契約が取れた瞬間」に成果が出ます。でもCSはそうはいきません。成果が見えるのは、半年〜1年後に「利用が定着した」「更新された」といったタイミングになります。
私も最初の頃、頑張って提案しても、数字として結果が出るのが先になる点に、営業との一番の違いを感じました。
顧客の成果が出るまでは、どうしても時間がかかるんです。これは性格的に「短期で結果を見たい人」にとってはややストレスかもしれません。
ただ、その分成果が見えたときの喜びは大きいのも事実。
時間をかけて顧客との信頼関係を築き、半年かけてようやく「使いこなせるようになりました!」と言ってもらえたときの達成感には、何にも変え難い喜びがあります。
長く続けるための工夫
カスタマーサクセスには魅力的なやりがいが多い反面、実際には大変な部分があることも事実です。
下記のような工夫ができると、モチベーションを高く保ちながら、CSを長く続けることができると感じています。
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チームで助け合う
困ったら一人で抱え込まず、チームに相談。
私も顧客の要望に答えられず悩んでしまうときには、同じチームのメンバーや同僚に助けてもらうことで救われることが多いです。
自分の業務だけに捉われず、積極的にメンバーの助けになるように発信し続けることで、チーム全体に助け合いの風土が生み出せると組織としてもうまくいきやすいと感じています。 -
ツールを活用する
顧客管理ツールやレポート機能をフル活用することで、効率的に状況を把握できます。
ITツールやAIの導入により、効率化を図っている企業はますます増えているので、組織の意向に便乗して、自分でも意識的に活用することをおすすめします。 -
顧客とフラットな関係を築く
時には「無理なものは無理」と誠実に伝えることも大事です。
顧客の要望を全部飲み込もうとして完璧な対応に縛られる必要はないと思っています。
あくまでフラットな対応で顧客と付き合っていけると、結果的には顧客とのトラブルが減って心穏やかに仕事ができると感じています。 -
キャリアの先を意識する
マネージャーやプロダクト企画など、CSの先にあるキャリアを意識すると、日々の業務も学びに変わります。
仕事に慣れるまではどうしても目先の顧客対応だけに注目してしまいがちです。
たまには「なぜこの企業のカスタマーサクセスを選んだのか」という背景に立ち返ると、自分のキャリアや将来など長期的な目線を思い出せるのでおすすめです
転職して1〜3ヶ月で辞めてしまう人は私の企業のカスタマーサクセスではかなり稀ですが、失敗しない転職のために意識できるといいと思います!
まとめ:「楽しい部分」と「辛い部分」を理解したうえで転職活動に臨もう!
カスタマーサクセスは「楽しい部分」と「辛い部分」が共存する仕事です。
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楽しい部分:顧客から感謝される、サービスの価値を広げられる、学びが多い、チームで達成感を味わえる
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辛い部分 :数字のプレッシャー、顧客都合で振り回される、繁忙期の激務、クレーム対応、成果がすぐ見えない
つまり、カスタマーサクセスは決して楽な仕事ではありませんが、それ以上に「人の役に立つ実感」や「キャリアの広がり」を感じられるポジティブな面も大きいです。
これからCSを目指す人は、まずこの「リアルな両面」を理解しておくことが大切です。
そのうえで「自分はこの仕事を楽しめそうか?」「自分のキャリアに合いそうか?」を考えてみてください!
もっと具体的なCSの役割やキャリアパスについては、関連記事で詳しく解説しています。
気になる方はぜひチェックしてみてください。


そして、自分に合いそうだと感じたら、IT転職に強いエージェントに相談するのも一歩です。
きっと、自分らしいキャリアの形が見つかりますよ。
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